Kagiyama kenchiku sekkei        鍵山建築設計      Small fantastichouse story  
外観の形は大きく変えなかった。外壁は新たにガルバニウム鋼板を纏った。マットなモノトーンが効いている。
テラス屋根の木部は補修の上塗装を施し、ポリカーボネート波板に葺き直した。手作りの良さがよみがえった。
リフォーム
長寿の柿の樹が外観を引き立てている。
奥行のある長いアルミバルコニーは新しいものに取り替えた。
玄関の靴入れは造り付けとし、把手も日常に合わせたものをセレクトした。
少々そっけないキッチンを無垢フローリングが補っている。
既製のキッチンを丁寧に配列した。さりげないディテールが効いている。
キッチン→洗面室→浴室とトイレ→廊下→キッチンと回遊でき、使いやすい。
リビング、キッチンの建具はポリカーボネートの框戸(引戸)。動線がスムーズになった。
リビングの引込戸を開けると個室からも庭がくっきり見える。
掃出しのサッシを開けると風がスーと抜け、空気が入れ替わる。
階段は緩やかに上がれるようにかけ直した。途中の明かりがいい感じだ。
押入だったところが階段になった。柱間に手摺、手摺子を同寸に納めたことで自然な風合いになった。
2階床からバルコニーはかなり段差があった。途中に踏板を設けることで上がりやすくなった。
階段を掛け直したことで玄関から階段を通して2階に風が通り抜けるようになった。
このあたりを牛耳っている野良猫か、一部始終工事を見届けてくれたようだ。

 
昭島市MN邸 リノベーション(耐震改修)                      

リノベーション

プロローグ                                                  エピローグ

東日本大震災以降たび重なる有感地震と、首都直下型地震の確率、そして立川断層が近くを走っている不安など、あれこれ心配な事から、思い切って「今しかない」と、築30年超の住宅を全面的に大規模にリフォームする決心をされました。

築年数は経過していても、ステキな暮らす生活スタイルはとてもおしゃれで、新しくなった家でも、吟味した物たちの中で、シンプルで自分らしい暮らしをして下さると確信しています。

ご依頼頂いたきっかけとなったのが、鍵山貴美子のBlog「設計おばさん 幸せのおすそわけ」でした。かねてからご覧頂いていたそうで、初めてご来所頂いた時にはもう既に、言わなくても共通項がたっぷりの打合せと設計のご依頼となりました。
                                                 東京都立川市 一級建築士事務所 鍵山建築設計

 

プロセス
2012.09.10
数社に見積りをお願いしました。
2012.10.22 再度、見積りをお願いしました。
2012.12.03 工事請負契約を締結しました。
2013.01.15
現場監督と解体箇所の確認をしました。

野鳥の巣箱も残すことにしました。
2013.01.17
解体工事2日目です。

壁と天井のボード類が解体撤去されました。

構造材・下地材は頑丈にできています。
2013.01.22
床のフローリング類が解体撤去されました。

こうして、間仕切りや床の仕上げを取り除きますと、思いがけない大空間があらわれます。
こういったガランドウが、人を気持ち良くさせることが分かります。
しかし、残念ながら、空間に目的を与える事によってスポイルしていきます。
できる限り、空間を活かした設計が必要となります。

       
2013.01.26
足場がかけられました。

基礎補強地業及び大工工事が始まります。
2013.01.30
基礎の耐圧盤(ベタ基礎)の範囲を鋤取りしています。

既存サッシの解体撤去が行われています。


2013.02.05


既存のサッシが解体撤去されました。

ブロック塀は、上3段(60cm)をカットし、高さを抑えました。

これで、大地震が起きても安心です。防犯にも有効です。

大工工事が始まりました。

1階は砕石敷き(基礎工事)の作業をしていますので、2階の根太の取り付けを先に行っています。

2013.02.12


2階、断熱材の充填が始まりました。
精度が要求される工事です。











1階、基礎補強の耐圧盤の配筋準備が整いました。

耐圧盤を既存基礎のフーチンに乗せて固定します。立上りも既存基礎に抱かせて、強固にします。既存基礎には目あらしを施し、大地震時のズレを防止します。

        
2013.02.18

既存垂木は垂木止め金物で緊結しています。

既存の梁と梁のジョイントに短冊金物を取付けています。

新築と同仕様の金物補強になっています。
2013.02.25




耐震補強基礎の配筋検査を実施しました。

図面通りであることを確認しました。









基礎を貫通している配管用スリーブは、鉄筋で補強されています。









サッシが搬入されました。

新築と同様、防火設備(防火戸)が必要な場所には設置するように、図面で明記されています。

図面通りのサッシが搬入されていることを確認しました。

たんに新しくするだけでなく、本当に安心できるスペックになっています。
2013.02.26


コンクリート品質試験が実施されました。

生コン車が到着後、現場で試験を行います。
コンクリートに有害な塩分が入っているかの測定(塩化物測定)と空気が適正量であるかの測定(空気量測定)、そして、そのコンクリート強度が実際どの程度あるのかを調べるための圧縮強度試験用のテストピースを取ります。

これと共に、スランプ試験が行われました。
指定した柔らかさのコンクリートであるかどうかを試験しています。

適正なコンクリートを使用したことが分かることで、より一層安心感が強くなります。


耐震補強のための基礎耐圧盤のコンクリート打ちが終了しました。

      
2013.03.04




1階の耐震補強壁と水平方向の耐震補強工事が始まりました。

筋かいが取りつく梁が段違いのため、新規梁を添えて補強しています。
梁の高さを揃えることで、耐力壁の強度が保たれます。
図面通りであることを確認しました。




鋼製火打ち梁が取り付けられました。
火打ち金物をタタミ6帖の広さに4か所以上、取り付けることで、水平構面の耐力を確保することが出来ます。
又、地震時に梁や母屋等の落下を防ぐためにも有効です。
図面通りであることを確認しました。





既存無筋コンクリート造布基礎(立ち上がり)に抱き合わせ鉄筋コンクリート造基礎と鉄筋コンクリート造の耐圧盤(ベタ基礎)が終了しました。

耐力壁下部の既存基礎が無筋コンクリート造では、大地震に崩壊する可能性があります。これで安心です。

2013.03.12




大工さん、電気屋さん、設備屋さんと私達で計7名による定例打合せがありました。

各職人さんと作業内容を確認しました。

定期的に打合せを実施することで、安心して作業に専念出来ます。







床の構造用合板の釘ピッチと張り方を確認しました。N釘を使用し、150ピッチ千鳥張りで納めます。

水平構面の耐力を確保します。
「たかが釘打ち、されど釘打ち」です。






防蟻処理を確認しました。
天然成分で定着性のあるものを使用します。

人に安全であることも重要です。


     
2013.03.18
浴室の外壁に面する部分に耐水石膏ボード厚12.5を張ります。隣地の火事による延焼を免れるために、この面の防火性能をあげています。

この後、ユニットバスが設置されます。
2013.03.22




ナチュラルシルバーの掃きだしサッシが取付けられました。
スッキリとした印象です。










やわらかい材質の無垢フローリングが搬入されました。プラネットカラーが塗布され、落ち着いた色味になります。








軒裏のダークグレーのボードが取付けられました。引き締まった感じがいいです。
2013.03.27


無垢フローリングの色が決定しました。
ローズウッド、とてもいい色です。











玄関引戸、サッシが全て取り付けられました。

ガルバニウム鋼板の外壁工事が始まります。



    
2013.04.01




階段が設置され、2階へのアクセスが容易になりました。
明るく、スッキリとした階段になっています。










    



2階南面に以前より大きなサッシを取り付けました。
とても見晴らしがよく、気持ちがいいです。









浴室が据えつけられました。
補助手摺が3か所あり、安心です。
2013.04.08
建具、家具の色見本を決定しました。
事前にある程度決めておいた色を現場で再度確認して決定する。

このプロセスが既製品には無い色合いを醸し出す。

それは、自然と周囲のものとバランスをとる感覚によるものであり、頭で考えたものより的を射ている。そのことをクライアントと私たちが共有し、完了時の楽しみに繋がります。
2013.04.10


カラーガルバニウム鋼板の外壁工事が始まりました。
ストライプがスッキリとした印象です。













庭に黄色いチューリップが咲いていました。

こういった花木も家には欠かせないディテールになっています。
2013.04.16






リビングに既存の通し柱が残りました。
スケルトン改修工事ならではの風合いがあります。













コバウという漆喰専用紙を張るための下地処理をしています。
漆喰はローラー仕上げになります。


     









2階の階段の手摺です。
同じ寸法材で仕上げることで、シンプルで飽きのこないデザインになっています。












バルコニーに上がる踏み台です。
ぶつけやすい部分を丸めています。
下部がちょっとした収納になります。
2013.04.19


足場が外れ、モノトーンの建物があらわれました。
大きな柿木がアクセントになって、効いています。









自然と一体になっています。
2013.04.22


天井に漆喰を塗布しています。
壁と天井に漆喰、気持ちいいです。













2階のオープンスペースから玄関を撮る。
見通しが良い、風もよく通ります。




      
2013.04.29


1.5m×7.2mの大きなバルコニーの復旧工事が始まりました。大の字になって寝そべることが出来、「空を楽しめる家」になっています。








キッチンが整いつつあります。
キッチン→洗面室→浴室・トイレ→玄関→個室→リビング・ダイニング→キッチンと回遊性をもたらしております。

既製品を丁寧に上品に並べています。
2013.05.08



現場へ行く途中のいたるところに赤いポピーが咲いていました。












外水栓が設けられました。
以前と同じコンクリートをくり抜いた外流し、愛着がわきます。
2013.05.10








無事完成し、引き渡しを致しました。

玄関の補助手すりが戻りました。









階段の手すりも蘇りました。














樹木がガラス越しにくっきりと見えました。



   










巣箱が元の位置に取り付けられました。














この辺を牛耳っている野良猫であろうか、低木に潜み、身じろぎもせず、引き渡しの様子をジーと見ていました。

「いい家が出来たではないか」といわんばかりの
面差しでした。


 

エピローグ                                                  プロローグ

近い将来と数十年後以降のスタイルに配慮し、耐震性を第一に考えた、やさしい住宅が完成しました。

部屋と部屋の境の敷居の段差を解消し、ワンフロアーが同じ無垢材のフラットな床で仕上げました。
今までの住宅には和室と洋室が混在し、また、和室も和室としての使い方をしない生活スタイルとなった今日、浴室以外は全て統一しています。
バリアフリーなのはもちろんのこと、五感で広さを感じるので動きやすく、更に施工面ではコスト削減につながります。

玄関をはじめ、浴室、室内の木製造作建具は、全て引戸に替えました。
今までの生活を日々拝見していて、「このクライアントさんなら、引戸を上手に使いこなしていける!!」そう私たちは確信し、全ての間仕切りを引戸にしました。
又、サッシや間仕切りの建具の高さは、今より低く設定されていた時代で、
少し背の高い男性が、よく頭をぶつけると言うのはよく聞く話ですが、
更にそれだけでなく、視界の広さの確保、スムーズにバルコニーへの出入りが出来るようにと、出来る限りの高さを確保しました。

カーポートとテラスの屋根に老朽化が見られました。
既存の木製の柱は、少し手を入れ、塗装をし直し、
屋根材は新しいポリカーボネイトに替えました。
使い込んだ味も活き、クリアな屋根越しには青空も望める、心の底からくつろげるテラスになりました。

大きな柿の木を残しました。
今年の秋も実をたわわに付け、鳥たちに分けてあげられるでしょうか・・・。


構造体だけを残した、スケルトン改修工事は、
ともすると、新築した方が低いコストの時もあるくらいです。
しかし、その場合、現在の規模や今まで馴染んできた風合いを保つ事は高いハードルになり、
選択となるわけですが、ここで一番重要なのが優先順位。
間違いでなかったと実感できる住宅がみごとに完成しました。

 

ご様子とメンテナンスも兼ねてお伺いしました。


 

 

福寿草がきれいに咲いていました。 野鳥も楽しそうに餌を食べていました。



快適に暮らしているご様子、たいへんうれしくなりました。

ニュートラルな生活感が素敵でした。



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